ランニングを趣味にしたサラリーマン10話(最終回)|私の趣味はランニングだ!

ランニングを趣味にしたサラリーマン
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今度こそ走り切るぞ!と意気込んではいけない。無理に力を入れるとスタミを消耗する・・・。

THE 省エネモードでスタートしたCBA竹山マラソン、その結果は・・・。

CBA竹山マラソン 前半

前半は余裕ありあり

1万人で走るなんて、人生初体験、周りのペースに合わすことなく、徐々に後ろに下がっていく壮太。

いつものようにはじめの5kmは準備運動を兼ねてゆっくり走ると、どこかで、抜くことも抜かれることもないゾーンにハマります。

ここが自分の居場所だ!

と、壮太は落ち着いて走り続けます。

多分、上空から見るとみんなが同じ方向に走って、水の中を集団で泳ぐ小魚のように見えるんだろうなぁ。と壮太は大群で泳ぐ中の一匹のイワシになった気持ちで走ります。

ペースはキロ7分スタートです。イワシより遅い?これまでにないスロースタートですが焦らず走ります。

3kmあたりから徐々にペースが上がってキロ6分ぐらいで走ります。

まず、ハーフで2時間10分を目安に走ります。後半を2時間20分で走れば、トータル4時間30分となります。

いけるはずだ・・・

頭の中でいろんな事を考えながら走りますが、沿道からはこれまでにない大きな声援が飛んできます。所々でイベントもやっていて、まずは太鼓の前を走ります。

遠くにいる時は小さく聞こえていた太鼓の音が徐々に大きくなり「ドン!ドン!ドン!」と力強く鳴り響いています。

名曲”runner”にチョー感激

4kmをすぎると、この10倍走るのか・・・と、まだまだ先が長い事を噛み締めます。

壮太は結構、いろんな事を考えながら走ります。走っている時は頭の中は暇です。だから、ジョギングしているとたまに仕事のことでいいヒラメキが出てきたりします。

これまでの大会と違ってこの大会では車道を走ります。いつも車で走る車道を自分の足で走るのは壮太にとって結構気持ちいい。

ランナーたちの足音はしますが、通行止めをしているので車のエンジン音とかなくて静かでいい。

マラソンは環境に優しいスポーツである。

10km地点には給水所があって、疲れる前に補給を心がけて、スポーツドリンクのコップを取って走りながら飲みます。壮太は貧乏性なのか、水よりスポーツドリンクを取ります。

沿道の応援は途切れることがありません。応援してくれている子どもたちとハイタッチもしながら走ります。

これまでの大会とは壮太のスタミナも違います。練習メニューを切り替えて正解でした。

15km地点では竹山高校の吹奏楽部が名曲”runner”を演奏しています。

壮太は感激しすぎて、鳥肌が立ちます!

壮太にとってrunnerは麻薬です。思わずペースが上がってしまい、ふと我に返ってペースダウンをします。

あぶない、あぶない。

そうこうしているうちに、ハーフ地点に到達、時間は2時間8分30秒と予定より速く、少しタイム貯金が出来ます。

すると地元の人がおにぎりを配っているところがあって、壮太は遠慮せずにもらいます。なんと、お茶まで出してくれて、いい身分です。

ちょうどお腹が空いていたので、グッドタイミングでした。

CBA竹山マラソン 後半

電池切れは突然に!

25km地点からは単調な道のりとなります。練習では25kmまでは走っていたので、スタミナにもまだ余裕があります。

しかし、またもや、電池切れは突然に!

と27km付近から一気に、ゼーゼーハーハー息が切れてきます。

あれれ・・・。

壮太は心の中で焦り始めます。沿道の応援に答える余裕はもうありません。ひたすら一歩ずつ前進です。

30km地点になると、あと12kmとカウントダウンが始まります。

壮太の場合、30~34km付近で、これまで走った距離の足し算から、残りの距離の引き算に変わります。

壮太のスタミナはどんどん消耗し、ペースも極端に落ちてきます。それでも、歩かないように走り続けます。

このあたりからは余計なことを考える余裕はなくなります。残りの距離を考えて、残りのスタミナの分配で頭の中は大忙しです。

壮太は平均キロ6分で完走することはもともと無理だと考えていたので、ペースが落ちるのは想定内です。でも、何処まで持ちこたえれるか。

35km地点になると、あと7kmだから・・・、いつものジョギングより短い距離だから・・・、と自分の中で、自分を分析します。

マラソンは自分を見つめ直すには丁度いい。

コーヒーとコーラ

36km地点では応援の人たちがコーヒーを配っています。

壮太の中には自分ルールがあります。その中一つが”エイドや給水所は歩いても、歩いたことにはしない”です。

このルールに従い、コーヒーを手に取り、歩きながら飲むとつかれた体に糖分が染み渡ります。甘めのコーヒーがマラソンに合うことを発見!

さすが、歴史ある竹山マラソン、沿道の人達もよく分かっている!

と沿道の人達に頭を下げて、壮太は再び走り続けます。

39km地点ではコーラを配っていたので、今度はコーラにチャレンジ!

すると、コーラの炭酸がなんて爽やかなこと!さらに美味しい!

コーラはこれまでにも配っていた人がいたのですが、もっと早く飲んでたらよかったと、自分の消極さを反省しました。

しかし、コーヒーとコーラはマラソンにぴったりです!

でも、体力の消耗はかなり激しい。

これまでならすでに歩いているはずと、練習の成果を実感しながらも走り続けます。

感動のゴール

40kmまでは走ろう、41kmまでは走ろうと歩く心構えはしますが、どれだけペースが遅くなっても走り続けます。

そして、残り1kmになると、なんとか踏ん張るぞ!と気合を入れます。

普段の1kmなら大したことないのですが、41km走ったあとの1kmはかなりしんどいです。

この時、壮太のタイムは4時間20分で、歩かない限り目標の4時間30分を達成できます。

歩かなければ大丈夫、ここで歩いたら41km走ってきたことがすべて無駄になる・・・

と、仕事では見せることはない根性、必死、意地、いろんなものが壮太に湧き出てきます。

残り500m、300mとなると、ゴールが見えます。そして、ゴールをくぐると、タイムを測定するセンサーがピッピッピとなります。

完走タイム4時間27分50秒。最後の1kmは7分50秒かかったようです。

壮太は歩かずに走りきって完走した達成感に、溢れそうな涙を必死に堪えます。ゴールしていい年の男が急に泣き出したら他の人達がビビるでしょ。壮太は涙を堪えます。

その後、壮太は係の人から、完走メダルや完走証をもらい、体はヘトヘトのはずなのに、疲労感は感じることなく、やったぜ!やったぜ!と心の中で何度も叫んでガッツポーズ。

壮太は屋台でおでんを食べて少し休憩して、駐車場まで歩きます。

壮太の趣味はランニングで決定!

走ることで色んな経験をすることが出来きた壮太。

これでようやく

壮太の趣味は”ランニング”に決定!

”フルマラソンも完走したことあるんですよ、タイムは早くないのですが、ぼちぼち走ってま~す。”

と、お酒の席でも楽しく話します。そして、意外と、マラソンネタは話題として使えることも発見!

ランニングをして各地のマラソン大会を楽しむ、そんな趣味を始めた壮太でした。

壮太はマラソンの経験を仕事に活かしてます。

35km地点より苦しいことって仕事にはありません。壮太は今日もゆるランします!

 

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