試合の分岐点|迷いの6回、結果が出た9回

ショートストーリー
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僕は今、重要な局面にいる

歩を打つか、金を進めるか

と言っても、将棋の話ではなく、野球の試合中だ

6回の表1アウト1,3塁、我がチームが攻撃中で、1-6で負けている

バッターは4番、相手の策は敬遠だ

相手はまだ、6回だと言うのに、失点を0にするために

大量失点のリスクを恐れず塁を埋めてきた

どういうことだ?

次のバッターが不調だという事もその選択肢を選ばせたことになるのは分かっている

しかし、今考えるのは我がチームの事だ

5番バッターは10打席ヒットがないが、ベテラン選手で他の選手からの信頼は厚い

ここで代打を出すと、チームの輪が乱れる事もある

皮肉なことに6番バッターは絶好調だ

これが、9回なら勝つためを理由に英断を下しやすいが、まだ6回

かなり難しい選択肢だ

そして、4番バッターが敬遠され1アウト満塁となる

私は5番バッターに若手を代打として送った

若手は三振に終わり、6番バッターが2塁打を放ち3点返をしたが、7番バッターがアウトで攻撃が終わった

攻撃が終わった後に代打を送られたベテラン選手が不満げに私のところに来て無言のまま通り過ぎた

試合は進み9回2アウト2,3塁で、4-6で我がチームは負けている

ここで、5番の若手選手に回ってきた

私は信頼できる中堅選手を代打に送る

次のバッターは絶好調の6番バッターなので、敬遠されることはない

すると、相手もピッチャーを交代してきた

さあ、どうなるか・・・

結局、試合は12-6で我がチームが大差で勝利していた

実はあれから我がチームの怒涛の攻撃が始まったのだ

振り返れば、6回の展開がこの試合のカギを握っていた

ベテラン選手を代えたことで、チームは一丸となり、9回の攻撃の判断も的確に行えた

試合後、ベテラン選手は私に自分の不甲斐なさを涙をためた目をして語ってくれた

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