おすすめ度:85点(おすすめ)
花束みたいな恋をしたは2021年1月に公開された映画です。主演は菅田将暉さんと有村架純さんです。
終電を逃して偶然出会った麦と絹。いつでも二人で一緒にいた20代の全部がずっと楽しかった。最高の5年間に待っていたものとは…。
感想
あれ、いきなりのネタバレだったの?と最後に気が付いた冒頭から始まる。
ある若者カップルがレストランでイヤホンを二人で片方ずつに分けて楽しんでいるところを見た山音麦(菅田将暉)と八谷絹(有村架純)。
お互い別の相手と食事をしていたが、そのカップルが気になって仕方がない。
イヤホンで音楽を聴くときはL(左)とR(右)を両方してこそ音楽が完成する。そのことを注意しに行こうとして席を立ち歩き始めると麦と絹はお互い顔を見て席に引き返します。
さて、このシーンはどういうことかというと、麦と絹が付き合っていた時にイヤホンを分けて見知らぬ音楽関係者に注意されていた。
こう書くと、すでにストーリの結末は見てきますが、内容と感想を交えながら、続けていこう。
2人の出会いは終電に乗り遅れたことから始まった。同じく終電に乗り遅れたカップルもいて、4人で喫茶店に行くことになりましたが、店を出た後タクシーを拾って麦と絹はカップルと別れ2人になります。
絹は麦と押井守(押井守本人)について意見が合い、居酒屋に行く。靴も同じで、趣味や好きな作家も会う。映画の半券をしおりにすることも同じ。行きたかったがいけなかった公演のチケットを持っていたが、それも同じ。これは今日会うためのチケットだった。と考える2人。ちょっと心が近づく。
絹は麦の「電車に乗っていたら」を「電車に揺られていたら」と話す言葉も気に入り、ジャンケンの矛盾であるグーはパーに勝てる。という考えも一致した。
そして、麦が劇場版ガスタンクの話をすると絹は気になって麦のアパートに行く。
何気なく気があった二人は3回目のデートの時に麦が告白し、絹もあっさりOKして付き合うことになる。
付き合いだしてからはいつも一緒で、絹はほとんど麦のアパートにいた。
何もかもがうまくかみ合い2人の幸せはまだまだ続く…、と思っていたが、引っ越して、同棲を始めて、とこの頃がピーク。
麦は父・広太郎の花火職人として長岡の実家に帰ってこいというのを断ると、月5万円の仕送りを止められ、絹の両親からも世間の常識を突き付けられる。
麦はある時、夢をあきらめ就活することになり、絹も簿記2級の勉強を始めて、就活を始める。
面接に苦戦しながらも就職を決めた麦だったが営業職でこれまでのような絹との生活とは程遠いものだった。絹との間に溝ができ、苛立つ毎日が続くと2人の間はギクシャクします。
気が付けば、見たい映画や、手に取る本もお互い違い、いつも通っていた、ベーカリー木村屋の閉店についても絹は多くの思いがあるが、麦はそこまで気が回らない。
世間常識に飲まれる麦。会社に寝泊まりしながら、絹と過ごした過去を思い出す。
絹はイベント会社のアナザープラネットに転職。麦は突然の報告にいら立ち、ダサいと馬鹿にする。仕事は遊びじゃない。とかなり嫌な顔。
息抜きができない。パズドラしかできない。生活のためだから大変じゃない。「だから、結婚しよう」と喧嘩しながらの最悪のプロポーズをした麦。
そんな時、懇意にしていた先輩が死んで麦は投げやりになる。しかし、絹は麦と同じように悲しむことはできなかった。
どうでもよくなった…。
別れることを心に決める2人。4年も付き合うと別れ方がわからないが、友人の結婚式に出席した2人は別れを決意していた。しかし、2人は笑顔で別れたい。と同じ気持ち。
結婚式の帰り、2人は夜の観覧車に乗り、二人は穏やかに話します。家に帰る前にレストランによる。
お互いが別れを切り出そうとすると結婚式の写真が送られてきます。そして、自分たちの昔の写真を見る。楽しかったねと絹が過去形で切り出すと、麦も過去形で答える。
絹はありがとうの一言しかない。麦は別れたくない、結婚しよう。と言い始めますが、絹はハードルを下げたくない。と断ります。
そんな時、昔の自分たちみたいな若い男女が近くの席に座って話します。2人は涙をこぼして、絹は外に出ると、麦が絹を後ろから抱きしめます。そして、2人は別れた。
と言っても、部屋を出るまでの3ヶ月一緒に暮らしていた。楽しそう。猫はじゃんけんで麦がもらった。
2020年、2人は街中で偶然ばったり会うが背を向けて手を振った。
さて、ここから感想ですが、最後に2人があったシーンの前段が冒頭のシーンだったんじゃなかな。この構成を説明したくて内容をざっくり書きました。
あんなに仲が良かった二人が、同棲して苦しんで別れを決めると気が楽になるのか笑顔が戻る。
不思議だけど、わかる。恋人や夫婦ってどういうものなのか謎が多い。お互い好きだったのに溝ができる。ちょうどいい距離感が必要なのだろう。
さて、ここで小言を言わせてもらいたい。麦が長岡の実家の花火を継いでいたら上手くいってたのではないだろうか。
まあ、それはさておき、所々でのゲスト?の登場に驚きました。ほとんど菅田将暉さんと有村架純さんのシーンでしたからね。羽田凛(清原果耶)と水埜亘(細田佳央太)は次の絹と麦になるのかな。
上手くいくことを願います。
登場人物
八谷絹 – 有村架純
八谷絹(はちや・きぬ)は終電に乗り遅れたことで、麦と知り合い。付き合うことになる。
運が悪いことが起きたら、2014年のサッカーワールドカップ準決勝で開催国ブラジルがドイツに7失点をして歴史的大敗した時のことを思い出す。その時のバッシングよりましだと思う。
山音麦 – 菅田将暉
山音麦(やまね・むぎまこと)は燃え尽き症候群的な性格を持ち、漫画家を目指す。
内容
東京・京王線の明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った山音麦(菅田将暉)と八谷絹(有村架純)。好きな音楽や映画が嘘みたいに一緒で、あっという間に恋に落ちた麦と絹は、大学を卒業してフリーターをしながら同棲を始める。近所にお気に入りのパン屋を見つけて、拾った猫に二人で名前をつけて、渋谷パルコが閉店しても、スマスマが最終回を迎えても、日々の現状維持を目標に二人は就職活動を続けるが…。まばゆいほどの煌めきと、胸を締め付ける切なさに包まれた〈恋する月日のすべて〉を、唯一無二の言葉で紡ぐ忘れられない5年間。最高峰のスタッフとキャストが贈る、不滅のラブストーリー誕生!
──これはきっと、私たちの物語。出典:花束みたいな恋をした 公式HP
主な出演者
主な出演者(敬称略)は有村架純、菅田将暉、オダギリジョー、戸田恵子、岩松了、小林薫、清原果耶、細田佳央太、押井守、Awesome City Clubです。