君との境界


夏の花火大会の夜、浴衣姿の君を見かけた
浴衣姿の君は僕を誘っている
その夜、僕たちは大きな花火を打ち上げた

秋、図書館で君を見つけた
図書館で本を探す君と僕の手が重なると、視線も重なる
久しぶりと声をかけると、僕たちは図書館を出る

冬、ケーキ屋さんでバイトをしている君を見かけた
僕は君に声をかける
今日はクリスマスイブ
僕はバイトが終わる君を待ってその夜を一緒に過ごす

春、新しい生活を始めた君は寂しさのせいか僕にメールを送ってくる
僕たちはサクラの下で待ち合わせをしてカフェで食事をする

再び夏が来た、君と出会って一年が過ぎたが、今、君はどこにいるのだろう。
君と出会った花火大会に行くと、君を見つける
でも、君の横には僕の親友がいる

な・ん・で
僕が君に話しかけると君は・・・。

朝、僕の目が覚める
これは夢だったのかと思いを巡らすと、君が着ていたサンタクロースの服がある
やっぱり夢じゃなかったんだ

好きな人と親友を失ってうなだれる僕はもう一度目を覚ます
夢の中で夢を見ていた?

いや、違う!これは全部僕のウソ、君は僕を騙していない

僕は自分が作ったウソの世界を歩いている
いつからウソの世界を歩いていたのか 覚えていない

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