家の中で10,000歩の足踏みを始めたのですが、外へ旅立ちます!
ジョギング開始!
巣立つ小鳥のように
壮太は家の中で10,000歩の足踏みをしている事は格好悪くて会社で話すことはなかった。
しかし、足踏み10,000歩のトレーニングを終えた壮太がとうとう外を走るときがやってきた。
巣立つ小鳥のように自分を感じていた。
外を走っても大丈夫なのか?と少しドキドキする40才。
妻の晴美に「走ってくるわ」と声をかけて家を出る。
といっても、晴美は壮太の事にはあまり興味がく、そっけない返事をするだけで、壮太は孤独にいざ出陣!
ジョギングのいい所は玄関を出てすぐにできる事だ。
準備体操をするのが普通だが、壮太はそんなことは気にしない素人である。
2ヶ月前は2kmで力尽きたが、足踏みの成果がどれほどなのか?
期待2割、不安8割の創太。
足踏みで愛用した万歩計を腰に付け、腕時計のストップウォッチのスタートを押して、ジョギング開始。
とりあえず、走る距離を優先してペースは落とす。
目標の距離は10kmだが、
いきなり10km走るのは厳しいだろうと思って、その日の目標は5kmにした。
ランニングとジョギング
どうやら、トレーニングを意味する時にランニングといい、健康目的ならジョギングとい言うらしい。
しかし、壮太はその時の気分や話す相手のレベルによってランニングとジョギングを使い分ける。
どちらかというと、壮太はジョギングと言っている方が多いが、この物語のタイトルでは見栄を張ってランニングと書いてしまった。
要するに、見栄を張るときにランニング、謙虚に伝える時はジョギングと言っている。
ジョギング
感動の公園・・・
話を戻そう。
家を出発して、公園まで約1km。10000歩足踏みの効果と前回よりペースを落としたので公園の中も走ることが出来た。
今回は気持ちとスタミナに余裕がある。壮太は公園の中に入っただけでも感動する。息は切れてはいたものの、ゼーゼーハーハーというところまではいかない。
ちょっと、ジョギングを楽しんでいる優越感にも浸っていた。
こ、これが、ジョギングか!
家の中での足踏みでは景色はテレビ画面が変わるだけだったが、今は地面を蹴って前に進み自分の力で景色を変えいている!
2ヶ月間、足踏みをした甲斐があった、練習は嘘をつかない!
と、考えれば考えるほど感動の波が大きくなる。
しかし、そんな感動を味わえるのも、2kmぐらいまでで、その後はゼーゼーハーハーが始まる。
季節は秋(9月上旬)、夜のジョギングたが、まだまだ暑い!
心に余裕ができると、調子に乗ってペースを上げてしまうのが壮太の悪い癖である。一気に電池が切れたが、歩かずに、走り切りたいという気持ちだけは持ち続けていた。
壮太にとっての意地である。
4kmを過ぎると、頭の中が朦朧(もうろう)としてくる。まだかまだかと、いつ止めてもいいはずのジョギングなのに自分のルールを全うしようとして苦しくなっていく。
今日の目標は歩かずに5kmを走り切る事。
残りの距離は、ここまで走った距離の4分の1だ、と数字で自分を納得させながら走る。
残り500mになると、あと、4km地点からここまで走った距離だと自分を励ましながら走る。
曲がり角を過ぎると、ゴールが見えて、もう少し・・・・そして、苦しみながら残りを走る。
ゴールすると、やっと終わった!ゼーゼーハーハとヘトヘトになっている。
家に帰ると、汗だくの壮太に汗臭いと妻からの冷ややかな言葉が飛んできた。
これから続けられるのか
はじめてのジョギングを終えた壮太は疲れ切っていたが、目標の10kmの半分しか走っていない。壮太はこれから1kmずつ、延ばしていこうと考えた。
それにしても、走るって大変だなぁ。40才というせいもあったと思うが、完全に電池切れで、その日はこれで終わった。
次の日、会社に行くとジョギングの疲れが残っている。
しかし、1回走っただけで、会社の人たちにジョギングを始めたと話すことはできない。続かなかったら格好悪いから・・・。
週に2回ジョギングをしようと決めると、3日後にジョギングの日がやってくる。
今回は走る前から、ジョギングに少し後ろ向きな気持ちになっていた。
また、あの苦しみを味わうのか・・・・。
でも、その日は体に鞭打って走ることを決意。
この決意が消えれば、本当にジョギングを趣味にしたと言える。趣味なら決意などいらない。壮太にとって、まだ、ジョギングは趣味ではないという事だ。
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