2度目のフルマラソンもいま一つな結果に終わってしまった壮太。
このままで、フルマラソンを走り切ることができるのかと、疑問に思う壮太は現状打破を狙います。
現状打破!!
仕事とマラソン
マラソンに限らずできる人は簡単に物事を言います。例えば、仕事は知識や経験を持つ先輩や上司たちの助言です。
彼らにはここまで積み重ねてきた実績があります。知識や経験だけでなくその人達がもともと自分より能力が高い場合は、なおさら指導を受ける側は消化不良を起こしやすい。
出来ないことをやれと言われても、出来ないものは出来ません。
口答えすると、怒られたり、見放されたりします。それが怖くて仕事では分かったふりをしてその場を乗り切ることもあります。
壮太は会社では仕事はできる方だと自覚していて、これまでの仕事での壁はことごとく打破してきました。
壁を登って超えたり、壊して進んだり、いろんな方法で乗り越えてきました。
先輩や上司の意見を自分なりに解釈したり、自分にできる方法に変換して利用したことも沢山あります。
さて、話をマラソンに戻しますが、今の壮太にはフルマラソンを走り切るという大きな壁が目の前に立ちふさがっています。これをどうやって打破するのか・・・。
もしかして、仕事よりマラソン完走のほうが壁が高いのではないかとも思いながら、壮太は完走に向けて作戦を考えます。
現状打破のヒントに出会う
今の世の中、インターネットで情報が飛び交っている。自分にあった情報を見つけることができればいいのですが、不器用な壮太には無限の情報源からいい方法を見つけ出すことが出来ません。
インターネットで調べてみると、フルマラソンでサブ3(目標3時間)やサブ3.5、サブ4など壮太にとってはかなりハイレベルな情報ばかり・・・。
どうも壮太には真似ができそうにありません。
そんなとき、壮太は通勤途中の車の中で聞いていたラジオ番組で自分にできそうな話を耳にします。
フルマラソン3週間前に30km走をする・・・。
壮太の中にスーッと入ってきました。
そうか!42.195kmを走ろうとする時に10kmの練習ではだめなんだ・・・。壮太は自分でかってに決めていた10km練習を撤廃することを考えました。
しかし、練習を過酷にするだけでは、仕事に支障をきたすかもしれない・・・。
完走に向けて行動開始
無理をしない新しい練習メニュー
次のマラソン出場予定は3月6日(日)のCBA竹山マラソン。今が1月13日(水)なので、今から7週間後が本番となります。
次の日曜日が1月17日となる・・・。
壮太はどんな計画を建てようかと考えますが、やったことがない計画を緻密に立てても仕方ないので、次の日曜日に走る距離をいつもより3km伸ばします。
仕事がないので朝から走れば、その日のうちに体力は回復するだろうと考えました。
そして、1月17日(日)朝から、少しペースを落として13kmを走ります。
ペースを落としたせいか、スタミナに余裕がある状態で走り終えます。
平日の練習は10kmと決めていましたので、水曜日に10km走ります。
1月24日(日)はさらに3km増やして16km走ります。
その週の平日(水曜日)の1回は10kmを走ります。
このように、日曜日に走る距離を徐々に増やします。
ラジオでは本番3週間前に30kmといっていましたが、壮太の場合は本番3週間前の、2月14日(日)には25kmとなりました。
日曜日に走る距離が20km以上になってからは平日は走らないようにします。気がつけば、壮太は日曜日のジョギングでハーフ以上走っていました。
もしかして、”自分はマラソンランナー?”とちょっと、前の自分とは違う自覚が壮太に生まれます。
「ちょっと、走ってくるわ」と妻の晴美に言って、家を出て3時間近く走ってくるって、普通の人の行動じゃない。
「うわー、マラソンランナーっぽいなー」と自分でもここまで来たことにびっくりします。
職場でもマラソン宣言
CBA竹山マラソンは職場の近くのマラソン大会で、地元でも一大イベントになっています。放送局のCBA放送が協賛しているので、芸能人も参加します。
壮太も職場では次のCBA竹山マラソンに出場することや、これまでの不甲斐ない2度のマラソンチャレンジの話も笑い話にします。
壮太はマラソンをすることで、職場の人達との会話も増えました。
フルマラソン・・・。
職場の人達からは「頑張ってくださいね」とか、「出るんですか!」「応援行きますよ」とかいろんな言葉をもらいます。
嬉しさとプレッシャーや、”ブサイクなことは出来ないな”とか、いろんな事が壮太の頭をよぎります。
壮太は3回目のフルマラソンチャレンジで歴史があって、全国的にも名前の通ったメジャーな市民マラソン大会を選んで良かったと感じます。
壮太の残された課題は本番までどういう練習をするかということです。もうすでに、ジョギングではなくマラソンに向けた”練習”といった感じ変わっています。
壮太は毎週走る距離を伸ばしてきた体の疲労を取ることを優先して、残り2週の練習は距離を20kmに落とします。
そして、3月2日(水)は本番前の最後の練習として10kmを軽く走り、壮太はこれまでにない万全の準備をします。
これが正しいのかどうかは本番の結果次第となりますが、ここまで来たらなるようにしかならない。
今できることは体調を崩さないことです。
そして、大会前日になります。

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