競馬の気運 エプソムとチェスター -25話-

競走馬の足跡~世界の競馬~
競走馬の足跡
スポンサーリンク

前話の復習

馬は国力であり軍事力 -24話-
前話の復習 馬は国力であり軍事力 -24話-  競馬の歴史を振り返るときに、何処まで遡るか。と考えてみると、ヨーロッパ中心の世界史の中で、ギリシャが栄えた時代があり、ローマ帝国が栄えた時代、オスマン帝国が栄えた時代がある。 ...

競馬の気運 エプソムとチェスター -25話-

 それではいつから競馬が始まったのか。当然、記録のないところでの馬の競争があった事や、そもそも優秀な馬を持つアラブ馬をここまで改良してきた中近東では馬のレースはすでに行われていたことは、簡単に推測できる。

 しかし、イギリスでは12世紀にロンドン市内で、アラブ馬を走らせ、高額賞金をめぐるレースが行われたという記録がある。イギリスへアラブ馬が輸入されたのが1121年との記録もあり、馬を競い合わせることは間もなく行われたものと考えられる。

 12世紀末、リチャード1世は数頭のアラブ馬を集め、エプソムの荒野で高額の賞金を目指す競馬を開催した。その頃から、英国産馬の能力を改善することが行われていた。

馬の競技は今の様な単に馬を走らせるだけのものではなく、槍試合や狩りの競い合いもあった。なので、現代の様なスタミナとスピードに特化して追求する価値観はこの時にはまだ薄かった。

 時は過ぎ、16世紀前半、イギリスはヘンリー八世(在位1509-47)が治めていた。ヘンリー八世は馬に大変関心があり、馬の育成のために立派な王室牧場が創設された。

そして、王侯貴族たちも所有馬を走らせ競い合うレースを行い、国王が後援をしていた。このレースは2頭の馬が競い合うマッチレース。そして、民衆の間でも競馬への関心が高まっていく。

 そして、別の場所、イングランド西北部のチェスター(元ローマ軍の要塞があった町)では様々な競技会が開催されていた。

そして、1511年、そこで競馬が行われることが決議され、1540年、ここに最初の競馬場が常設される。そこは円形の競馬場で周りに観衆が集まり、声援を送っていた。

 このチェスター競馬場は、1周1800m、イギリスで現存する競馬場で最も古い競馬場である。競馬の始まりに区切りをつけるのは難しいが、現代競馬はここから始まったと言えるだろう。

(チェスター競馬場)

競馬の聖地ニューマーケット -26話-

競馬の聖地ニューマーケット -26話-
前話の復習 競馬の聖地ニューマーケット -26話-  チェスター競馬場の建設とレースの実施によりイギリスにおける競馬が始まった。 その頃、常設ではなかったが、各地でも競馬が開催され、ヘンリー八世の娘、エリザベス1世が157...

コメント

タイトルとURLをコピーしました