関西エクストリームウォーク100(2023年5月27日-28日)に参加しました。100kmを走るのは無理だけど歩くならできるかも。
と、思ったのが参加のきっかけです。
初めての100kmウォークに不安と楽しみが入り混じる。
参加者は854人、完歩者は670人。この中に私はいるのか?
フルマラソンと100kmウォークどっちが大変?
この大会に向けての練習は10km昼歩行(なんとなく練習)、60km朝昼歩行(距離練習)、10km夜歩行(ヘッドライトの練習)の3回。
こんなのでいいのかわからないけど、週2回10kmジョギングをしているのでこれでいいだろう。
60km歩行ではマラソンと違って、ペースが遅いのはもちろん、踏切や信号の感覚をつかみ、夜歩行では夜の感覚をつかむ。
体力的には問題ないのですが、どうしてもペース感覚が身につかない。見えるのに近づいてこない…。急ぎたくても走るのはルール違反…。など、
そして、レースに申し込んでからずーっと考えていたのが、フルマラソンと100kmウォークのどちらが大変か?ということ。
その答えが出たのはこの大会が終わってからですが、答えが出るまで長かった~。
スタート前
スタートは姫路城。朝7時45分からのアーリースタート。アーリースタートとは初心者用の早めのスタートです。
もちろん私はアーリースタートでスタート。さあ、交通ルールを守って出発だ!
今回使用した靴はランニングシューズ。サッカニーのAYA(アヤ)。1年ぐらい前に2,000円という格安で買ったシューズだ。
このシューズで、格安完歩を狙います。
コース
姫路城から大阪住之江(クリエイティブセンター大阪)まで103km!途中にチェックポイントが5ヶ所ある。
60km試歩では66km地点のなぎさ公園まで行けなかったが、本番ではどうなるのか?その先も未知なる世界です。
信号もあるから、時速5kmで計算すれば、休みも入れて24時間ぐらいでゴールできないかな~。と計画していた。
100kmウォーク
レース スタート(姫路城)
思ったより会場には多くの人が集まり、スタート直後には道に旗もたっていた。50人ずつのウェーブスタートで、私は5,6番目ぐらいのグループで8:00にスタート。
スタート直後の歩道は思っていたより賑わっている。あまり先の事は考えずに第1チェックポイント(18km地点)の鶴林寺(加古川)を目指す。
昼前ぐらいに着くかな。
元気に歩道を歩く。信号で引っかかるかどうかで、前のグループに追いつくか、後ろのグループに吸収されるか、となる。
途中、コンビニで食料を買いながら、てくてく歩く。
11:40、鶴林寺(18km地点)に到着!まあ、予定通り、ここでは、菓子パンがもらえる。いや~、これはもう大人たちの遠足になっている。
スタッフの人たちがすごく親切!
明石公園(明石市)へ
鶴林寺を出発して、第2チェックポイント(40km地点)の明石公園(明石市)を目指す。20kmぐらいだったか。かかとの靴擦れ(くつずれ)が気になりだす。
あれ?保護クリームも塗ったのに早くないか?なぜ?と歩きながら考えると、靴が緩いことに気付いて、靴ひもを締めなおす。
靴擦れの悪化はマシになったがすでに靴連れを起こしている足にあと80km歩くのは酷。
コンビニで絆創膏を買って、靴擦れしたところに貼ってみると、痛みはあるが、痛みの進行は止まった。
しまったな~。と思いながら、てくてく歩く。
東二見の海岸に到着。今日は日焼け止めクリームも塗って日焼け止め対策は万全。東二見の海は奇麗!
海を眺めながら信号がない海岸沿いを、てくてく歩く。
16:30、明石公園(40km地点)に到着。40kmコースの人たちはここがゴールとなるが、私は100kmコースなので、まだ半分も来ていない。
足も痛いし、ちょっと疲れたな~。
元々、曇りだったので日が陰ってきている。ここでもスタッフの人たちが親切でした。
なぎさ公園(神戸市)へ
20分ぐらい休憩してから、第3チェックポイント(66km地点)のなぎさ公園(神戸市)を目指す。
東二見の海岸に入ったころ小さく見えていた明石大橋に到着。何回見てもめちゃめちゃデカい。悪夢の神戸マラソンのマラソンコースも歩く。
神戸マラソンの時はペース配分に失敗してバテバテになって、トイレに行ったり、こけたり…。最悪だったけど、だから忘れられない!
いろんなことを思い返しながら、てくてく歩く。
そして、とうとう暗くなり、ヘッドライトを装着。大会でもらったぴかぴか光るバッチをリュックにつけて、後ろの人にも自分の存在が分かるようになる。
よく考えられている。
JR須磨駅を過ぎて、60km練習で力尽きたJR新長田駅も過ぎる。
第3チェックポイントはどこだ?
国道では爆音を響かせるバイクが何台も走っていたが、信号は守っているようだ。
今日は神戸まつりもしているのでみんな元気!でも私のスタミナは少し低下気味。
明石公園~なぎさ公園の26kmが今大会の最長区間となる。他の参加者からも、「まだつかないの~?」と話し声が聞こえる。
60km地点の表示を発見。なぎさ公園まであと6km。ここからが長かった。マラソンではありえない歩道橋もある。
途中、店の前を掃除している女性に「これ、何の大会?」と聞かれて、「姫路から大阪まで歩く大会」と答えると、絵に描いたように驚いていた。
私は「ナイス、リアクション!!」と心の中でつぶやく。
心が折れかかる中、右足のくるぶしが靴擦れ開始。いてててて、と痛みを感じながらも歩くしかない。そうだ絆創膏の残りがあったはず、と思い出して絆創膏を貼る。
なぎさ公園に全然つかない…。しかし、歩くしかない。体力はあるが、足が痛い…。でも歩くしかない。
ようやく、なぎさ公園に着いたときは0時前。ここでもスタッフの人たちはとても親切。
みんな、ヘトヘト。姫路から歩いてきたもんな~。
私はここで30分休憩。眠らないように5分ほど目を閉じたかな。寝坊をしたら大変なことになるので、そこだけは要注意。
ここで寝たら、「うさぎとカメ」のカメが寝ることになる…。
津門中央公園(西宮市)へ
第4チェックポイント(80km地点)の津門中央公園(西宮市)を目指す。14km区間なのでさっきの区間に比べると精神的に楽。
しかし、歩きはじめると、おじさんに話しかけられる。参加者には結構年配の方もいて、声をかけてくる。時にはここぞとばかりに会話を楽しんでくる人もいる。
私もその年配の方の話に付き合いたいのですが、今はそれどころじゃない。
上手くかわしながら、その年配の方から逃げようとするが、しばらく話の相手をさせられて歩くことに…。
そして、前太ももの筋肉が張ってくる。信号で止まったとの歩き出しに痛い。しばらく歩くと痛みはなくなる。これを何度も繰り返す。
そこで、信号で止まった時に太ももを手で揺らしてみると、痛みが和らぐことを発見。しばらく、信号の度に太ももを揺らす。
いろんなことを発見できる100kmウォーク。かなりペースは落ちた(たぶん、時速3.5kmぐらい)けど、てくてく歩く。
この時点で24時間での完歩は絶望的になっている。そこで、目標を26時間に変更する。
この時点でこのコースが103kmとは知らなかった私(100kmだと思っていた)。
4時30分、津門中央公園に到着。夜が明けてきた。
ここでは20分ほど休憩。こんな時間でもスタッフの人たちの親切は変わらない。スタッフの人たちには感謝しかない。
ここで、制限時間が気になり始める。スタッフに聞くと11:30がゴールの締め切り。
そして、スマホで大会HPを確認すると、103kmコースであることも確認。さっき、歩いている人が話してたな~。やっぱりそうか~。
となると、ここからゴールまで23km。時速4kmなら6時間弱…。ん!次のチェックポイントの休憩時間を入れると、結構ギリギリ!
しかし、焦っても仕方がないここはひとまず、まだ、7時間あると考えよう。
伝法公園(大阪市)へ
4:45分、第5チェックポイントの伝法公園(92km地点)を目指して、歩きはじめる。尼崎に入ったぐらいかな。歩道橋や歩道の階段が多すぎて大変!
信号と歩道橋どっちが大変か…。計算できるのは歩道橋だが、階段を上る距離もコース距離に入っているのかな?と細かいことを考える自分に気付く。
それほど、余裕がなくなってきている。
とりあえず歩くしかない。太ももの痛みはなくなり、靴擦れにも慣れたのですが、今度はお尻がひりひり痛くなってきた。
なにこれ?と思いつつも、痛みを我慢して歩くしかない。あとで気が付いたのですが、パンツとお尻が擦れて、お尻がおパンツ擦れを起こしていた。
度が過ぎる長い距離を歩くといろんな異変が起きるようだが、とりあえず我慢して歩くしかない。
いてててて…、と痛みを我慢しながら、最後の力を振り絞って歩く。少し、ペースアップ。
ここまで来たら意地だ!マラソンでは何度も苦しいところを乗り越えてきた。このぐらい!!!と、自分を奮い立たせる。
何回も歩道橋を越える。
そして、ついに大阪府に入る。こんなに遠い大阪は初めて!!疲れの中にも、感動が沸き上がる。
7:45、伝法公園に到着。座るとお尻が痛いが、疲れているので座るしかない。少し寝転んで、ここでもらったおにぎり、ようかん、ゼリーを食べる。
残り、11km、制限時間まで3時間半。
時間はある、焦らないように自分に言い聞かせ、しっかり休憩をとる。
ゴールへ
7:57分、ゴールのクリエイティブセンター大阪(103km地点)を目指して、歩きはじめる。
この時間になると街では日曜日の生活も動き始める。一般の方も歩いている。私たちが夜も寝ずに姫路から歩いてきたとは想像できないだろう。
お尻が痛いけど、歩くしかない。たまにスマホでゴールまでの道のりを確認する。それだけ、私は精神的に余裕がない。
とりあえず、ひたすら歩く。私と違って、会話を楽しみながら歩いている人もいるが、私にはその余裕はない。
逆に、私よりきつそうな人もいる。私の場合はスタミナとか、足の筋肉は大丈夫なのですが、足の指、かかと、お尻の擦れが痛い。痛すぎる…。
しかし、黙って、ひたすら歩くしかない。
コース上にいるスタッフの人たちも、「頑張れ、頑張れ」と声援をくれる。
間違いなく、ゴールは一歩ずつ近づいてくる。
そして、最後の目玉、千本松大橋(通称、眼鏡橋)に到着。
ラッキーなことに私は上り坂は苦にせず上ることができた、足腰の筋肉はまだまだ元気。足の擦れも歩く角度が変われば擦れる場所が変わってあまり痛くない。
この橋だけで2kmぐらいあるんじゃないかな。
この橋をクリアするとゴールまで、もう少し。しばらく歩くとスタッフの人が残り700mの紙をもって立っていた。
あと、700mか…、走ればすぐなのですが、歩くとなると、ここからも長い。まだか、まだかと歩みを進める。
あった!!
10時35分、スタッフの声援に囲まれながら、見事にゴールテープを切った。
完歩時間、26時間35分。感動したが、ちょっと納得いかないゴールでした。
これが私のはじめての100kmウォーク。
もう一回チャレンジしたいな~。
フルマラソンと100kmウォークどっちが大変?(答え)
フルマラソンと100kmウォークは全く違うことが分かった。
体力的にはフルマラソンを完走できる人は100kmウォークを完歩できると思います。ウォークは息が切れることがありません。練習も特にウォーキング用の練習はなくても大丈夫。
ただし、初めての人は念のため夜歩行の練習ぐらいはしておいた方がいいかも。
そして、ウォーキングにおいて一番重要なのは靴擦れ対策です。これだけは油断しないようにしてください。
私の場合はパンツ擦れをしました。次回はこの対策もしておかないと…。
100kmウォークで気になっていた、24時間寝ずに歩けるのか?という疑問ですが、歩き続けている限り、少し疲れは出ますが、ゴールするという目標があるためか、眠たくなりませんでした。
歩き終えて電車で帰る時は寝てました。
100kmウォークほど地味で過酷なレースはないでしょう。
マラソンに比べ100kmウォークは時間が長すぎる。
フルマラソン(例えば、6時間で完走)と100kmウォーク(例えば、26時間で完歩)どっちが大変?私の場合、答えは100kmウォークです。
レースを終えて
参加賞として、タオル、ワセリン、光るバッチをもらって、完歩してからフィニッシャーズTシャツをもらいました。
スタッフの人たちが親切で、100kmも歩けばいろんなことが「起きる、出会える、経験できる。」
すごく、面白かったです!
また、参加してみたい!
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