前話の復習
ファミリーナンバー -7話-
サラブレッドの血統を語る上で、よく言われるのは牡馬である。しかし、当然のことながら馬もオスとメスから生まれる。だから、牡馬だけ見ても半分しか見ていないことになる。
牡馬は1年に何十頭と子孫を残せるが、牝馬は年に1頭、場合によっては0頭の年もある。なので、データがとりにくいのである。
そこで、データが撮りやすい牡馬が血統の話でよく出てくる。
しかし、牝馬も重要であることは当然のことので、牝馬について調べて有名なのが、ブルース・ロウ(オーストラリア、1895年)である。
ブルース・ロウは当時のイギリス三大クラッシックだったダービー、セントレジャー、オークスの第1回からの優勝馬の母系を遡った。
そして、50頭の牝馬にたどり着き、三大クラッシックを勝った馬の数が多い順に1から43番まで番号を付けた。
その番号が「ファミリーナンバー」である。母系の直系の流れを「ファミリーライン」や「フィーメルライン」と呼ぶ。
また、血統表の一番下に馬名が並ぶので「ボトムライン」とも呼ばれる。
このように書くと、父が同じでも兄弟とは言われないが、母が同じなら兄弟と言われるのも理解できる。
兄弟は同じファミリーライン=ファミリーというのだろう。そうなると、父親が寂しい存在である。
でも、サラブレッドの世界では父親の役目は、優れた子孫を残す種、いや、遺伝子継承なのだ、にしておこう。
一般にこういう話となるが、実は母親もその父親と母親から生まれている。その母親も同じである。
ということは、例えば5代遡って、牡馬の情報だけで31/32≒96.9%の情報を得ることが出来る。
そして、8代遡ると、255/256≒99.6%の情報を得ることが出来るので、牡馬だけ(逆に牝馬だけ)でもいいような気がするが、これは私の意見である。
私の意見は世界的には無視される意見だが、競走馬の世界において、特に血統の話となると、いろんな説や考えを持つ人がいる。
それは、人と馬が生活の中で長く、深く接してきたためだと思う。記録がないほど、多くの国や地域で古くから人は馬と暮らしたことがわかる。これが競走馬のロマンにつながる要因でもある。
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